No.019 ケガキ線の太さ



今回はいつにも増して超マニアックっす。
ジュエリー作り、モノ作りに興味が無い人は見なくてイイかもっす。





そんな出だしの今回のテーマ、
ジュエリー加工では地金に、目印で、ガイドラインで、
と引くケガキ線っすけど、まあこんなのっすよね。


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ズームッ!




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ズームッ!




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で、
まあ今回はぶっちゃけて結論から言いまっしょう!


『ケガキ線の太さ』 それは 『 0.1mm 』 ってコト。


んで、
せっかくなんでオイラが検証としてやったモノを載せていくとっすね、

まずは銀の板材を用意、
機械で直線にカットされたところから12.0mmのとこにケガキ線を引き、
ソレを目安に糸ノコで切ってみたんすよ

ケガキ線と地金を残した時の場合。
ケガキ線をハッキリと残した場合。
ケガキ線のみを残した場合。
ケガキ線が消えるまでさらにヤスリをかけた場合。


ってな具合にね。

ってことで、
画像と共にちょいと雑談を交えながら解説していくとっすね。


まずは、ケガキ線と地金を残した時の場合。

ケガキ線がよく見えるようにと試しに0.5mmのシャーペンの芯の分だけ
地金を残して切ってみた↑にもあるモノから言うとっすね、


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ノギスで幅を測ってみたところ、銀の板材の幅は12.6mmでしたっす。
12.0mm0.1mm(ケガキ線)+0.5mm(シャー芯の太さ)ってコトで合ってるっすね♪

経験談からすると、趣味でもプロでも経験が1年生くらいの初心者は、
絶対に糸ノコで切る時にブレるのでこれくらいケガキ線のとこから
地金を残すようなイメージで切るとイイっすよ。
例えば最終的に幅12.0mmしたいなら12.0mmのトコと+0.5mmくらいのトコに
2重線にケガキ線を引き、その上を切っていくとかすると、幅が12.0mm未満になって
「はい、いきなりやり直し。」にならなくてすむっす。



次に、ケガキ線をハッキリと残した場合!っす。


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とっても分かり辛いんすけども、地金の切断面のトコ、2重の線があるっしょ。
その2重の線が一本のケガキ線(いわゆる溝になっているので2重線に見える)で、
上の黒い物体が0.5mmのシャーペンの芯っす。

パっと見ハッキリとケガキ線が分かるように、ケガキ線+微妙な地金
だいたいケガキ線の太さと同じくらいの地金っすかね、を残して切った状態っす。
普段オイラがケガキ線引いて切ってるのがこれくらいっす。
ノギスで幅を測ってみると、
12.0mm0.1mm(ケガキ線)+0.1mm(残った地金)になり、
目標まで残り0.2mm、中目のヤスリで平らにし、仕上げるとイイ具合♪って感じっす。
ちょいと補足説明を入れると、
糸ノコで切った後、どうしても油目ヤスリをかけ、砥石・ペーパーヤスリ
リューターポイント・キサゲなどで仕上げて、バフなどで磨き上げると
0.1mmは減るので、安全策という意味と0.1mm分微調整出来るってコトで
普段ケガキ線のところからこれくらいのトコを切ってまっす。



お次に!ケガキ線をかすめた場合。っす。


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さっきとの違い分かるでしょうか?
地金の断面が引いたケガキ線の溝のフチで、
平行にある一本線がもう一方の溝のフチっす。

だから先ほどのように2重の線では無いんす。ちなみに、
左に見える黒い物体がやっぱり0.5mmのシャーペンの芯でこれで銀の板の幅は
ちょうど12.0mm0.1mm(ケガキ線)になっているってワケっす。

この状態だと後は油目ヤスリで平らに整え仕上げ磨き上げでイイっすから
めちゃめちゃ作業スピードが上がりまっす。
んでも、
糸ノコに自信のある方ならイイけど、自信の無い方やまだまだ経験の少ない方は
ここまでやらない方が身の為っす。激しく失敗しまっす。
オイラの場合は集中してる時、ノリノリな時にこんくらいで切っている。
って感じっすかね。



最後に!ケガキ線が消えるまでさらにヤスリをかけた場合。っす!


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はい。黒い物体の0.5mmのシャーペンの芯が転がっているだけで
線は消えて地金の断面のみになってるっすね。

これでノギスで測るとちょうど幅 12.0mm の銀の板になった。というワケっす。

名人とかはコレを糸ノコのみでヤッちゃったりするんすけど、
さすがにオイラもコレを糸ノコのみでやるのは怖いんで、
(やろうとして出来ず一級技能士試験を一回落ちた経験アリ(笑))
糸ノコで切ってから0.1mm未満での仕上げ&磨き上げは、
常人はやらない方がイイっすよ。



ってコトで、

ケガキ線の太さは、『 0.1mm 』

ってコトだったんすけど、いかがでしたでしょうか?

実際にケガキ線を引いて糸ノコで切ったり、ヤスリですったりするのは
一連の作業工程の中でほとんどの場合は最初の方で、その後に整形や仕上げなどが
あるワケっすから、まあ、余裕を持って切ったりすったりしましょうっす。

あと、本当にケガキ線が狙った位置に引けているか? ↑で言えば、
ケガキ線が消えた時に幅 12.0mmのところにちゃんと引けているか?
ってことっすけど、テンプレートとか使う以外は、定規など当てて見て、
100%目安のカンでっす。
とは言え、ちょいとアドバイスをするならばっすね、
定規などのメモリにも太さがあるんで、マイナスにならないように、
時にはルーペで見ながらメモリのプラス側、のさらにすぐ横に印を付ければOKっす。
そうすると12.0mm目標なら、だいたいケガキ線の消えた時に
12.1mm12.2mmぐらいになると思われまっす。

ちなみに、ケガキ線引くのにオイラが使っているのは、
ケガキコンパス、ピンバイスに挟んだ縫い針、変わったところでは9Hの鉛筆で、
段々細く薄くなっていくんすけど、まあ結局は消えるまでヤスリなどでするワケだし、

要は、

「ケガキ線引く時にマイナスにならように気をつけようね☆」
「ケガキ線を超えていかないように気をつけようね☆」
「ケガキ線自体はだいたい 0.1mm だよっ☆」


ってコトっす。

さらに補足としてテンプレートなんかでケガキ線を引いた場合は
キッチリ引けば、たいがい「+ケガキ線の太さ」になってるので
ケガキ線が消えたくらいがちょうどっす。

何はともあれ、とりあえずノギスなどで測る!ってことを忘れずに!
糸ノコで切ったら測る!荒目・中目ヤスリですったら測る!
仕上げたら測る!磨き上げたら測る!

そうすればアナタにもいずれ理想の寸法をした形を、
ビシッっとした玄人の品物をっ!作れるでっしょう〜〜!!!

オイラも頑張りまっす!!!


P.S.
ちなみに今回使った銀の板材。
仕様は縦×横×厚さ=約31o×約12mm×約2mmのタグペンダントもしくは
ストラップにして、そこに文字でも干支でも星座でも誕生花でも
何でも彫れますよ。いかがですか?レディースエーンジェントルメーン〜
って感じにしようと思いまっす。(笑)



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(2008/01/29)

poko