No.022 彫り下げ



はい、今回はタガネによる『彫り下げ講座』っす。
まー、面を段にするってヤツっすね。出来上がりはこんなヤツ(↓)っすね。



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では手順の通りにすぐいっちゃいましょ〜〜っす。
と、その前に。

ぶっちゃけると今回の技術は、
YOU TUBE などで「洋彫り」・「Engraving」の動画を見た方が早い話かもしれません。
何しろソレラを見てオイラが自分なりにパクったやり方っすから(笑)
(ちなみに和彫りの肉彫り・高肉彫りとかはまたちと違った彫り方のようっす)

でも、まあ、仕組みと言うか理論と言うか、物理的にどうなってんの?
ということで、何かしら参考になれば幸いっす。


ってことを踏まえて、いってみましょ〜〜〜っす。



『彫り下げ講座』 〜長方形〜

まずは、基本!ブツに下書きして固定する!





はい、当たり前なコトっすね。このケガキ線を段にしてフチにしていきまっす。
その時の使用タガネは、毛彫り(山角度90度)がイイでしょう。
それを!まるで片切りタガネを使うごとくタガネを傾けて!
ケガキ線の内側(彫り下げる側)を彫っていきまっす。
ま、言葉だけじゃ分かり辛いんで画像を入れていくと、



 
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ほいほいっと。
とりあえずはコツがいる彫りの終わり、タガネの抜き方を見て欲しいっす。
長方形の角のケガキ線手前でビンッと強引にタガネを抜いてます。
その際のポイントは、上の画像のように彫った地金が跳ね上がるように、
彫り進めたタガネをそのまま上に抜く(持ち上げる)っす。

で、彫った地金をポキっと折ってやると、こんな感じっす↓



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どうでしょう?オイラの言っているポイントが分かるでしょうか?
要するに強引にタガネを抜いてしまえば、彫りの終わり部分が短くてすむってことっす。
しかしながら、これだけではご覧の通りご想像の通り、
角になってないし、バリも出るっす。んでも!
ソコは後で処理するのでご安心を!

あ、あと、
まるで片切りタガネを使うごとくタガネを傾けて!
というの解説すると、こういうコトっす↓



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ま、上のは図でご了解いただけると思うので、次っす!

直角に交わる方の線を同じように彫りまっす。こんな感じに↓



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上の画像ように彫ってから次に角を作るんすけど、
ココで注目しておきたいポイントが一つ。
上記のような彫り方・タガネの使い方だと、角になる部分は彫り始めでは彫れず、
角になる部分は必ず彫り終わり、タガネを抜くコトになります。
ソレを踏まえ、ケガキ線で書いた角から彫り始めず、
中途半端なところからそれぞれ彫った方が、むしろ上手くいくっす。

さて、次は直角の角を作っていくっす。
ちと言葉で説明するのが難しいんすけど、
まず直角に交わる一つの方から切込みを入れて、もう一方をソレに合わせて
直角に地金を切り(彫り)取る。といった感じっす。
なんつーんでしょ。例えるなら林檎の皮むき、の、芯を取る時みたいな。
そんな感じっす。まあ出来上がりを見るとこんな感じっす↓


 
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毛彫りタガネの傾き具合、角の合わせ具合、
爪楊枝との比較による大きさ、直角具合が分かると思いまっす。


このように!ちと慣れとコツいる毛彫りでのフチ取りが出来たら
あとは単なる作業っす。以下のようにやったって下さいっす。



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彫り下げる面を、毛彫りで縦横彫り、山になっているのを片切りで落とすと。
まあ、ぶっちゃけコツが分かって慣れれば一発でも角取れるんすけどね。



ちなみに青線の幅は2ミリっす


で、今までの
フチ取りから片切りで彫り落とすという作業を3回くらい繰り返すと、
0.5ミリくらいの段差が出来上がるというワケっす。
んで、さらに彫り下げた面を荒らしタガネを打って仕上げると、
面がより平らになり、一番最初の画像のようになるワケっす。



以上、彫り下げの工程だったんすけど、最後に、
出来た品物を載せると、


 
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名前が彫ってあるのでモザイクかけてます。


こんな感じで、ま、あまり直角、角張ってても実際当たりが痛いんで、
せっかく作った角部分もダラけさせてたりするっす(笑)

あと前にUPしたポコはこちらっす↓



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いや〜今回もいつも通りのマニアックさでしたね(笑)

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(2008/12/26)