No.007 馬面の彫り方☆


◇GALLERY◇のNo.016で彫った「馬面」の『彫り方』の公開っす。
完成品はNo.016 馬面!を見てもらうとしてぇ〜

まず、ご用意するモノは、

彫りを入れる板・デザイン画・曲線用片切タガネ・やや曲線用毛彫り
タガネ(山の角度120度)・金剛砂を叩いて作った粗しタガネ・
毛皮テクスチャー用タガネ・ヘラ、
以上っすね。

え〜っと、説明がいるモノは粗しテクスチャー用のタガネでいいかな?

ココクリックして画像を開いてくださいっす。

実物のタガネは小さくて撮れなかったので、しょぼい絵なんですが、
この画像みながら説明させてもらいまっす。

上の粗しタガネからいきますと、普通は平らな面に粗し面なんすけど、
その普通のタガネの他にもう一本、絵にあるようなやや膨んだタガネを用意するっす。
顔や首のスジのミゾ部分を作るための粗しタガネっすね。
先生のアドバイスを元に打ち出しで使うタガネの形状のようにアレンジしてみたっす。

次に下の毛皮テクスチャー用のタガネはやや丸みを付けながら割りタガネの
ようにして刃の片側を落とします。実際に彫るときは「切る」じゃなく、
「傷つける」って感じなので、ダレてる刃にしておいてください。

んで、横って書いてる方を自分に向けて、赤丸の部分で滑らすように
叩いていきます。こうするとラインが出て、毛&毛皮のテクスチャー
出来るっす。今回ではタテガミで使用してるっす。


さて、道具説明も終わったので順番に彫っていくっす。
とりあえず、彫り終わるまでの工程っす。

@板に馬の絵を描く。
A輪郭を片切り&毛彫りタガネで彫る。
B普通の粗しを入れて、くぼみ部分の粗しを入れる。
C毛の部分にテクスチャーを入れる。
D目の部分に段階的に片切タガネを入れヘラで丸く光らせる。
E最後に頬の部分などの彫りの見せ所をキッチリ彫る。


こんな感じで進めていくといいと思いまっす。


ってことで、ポイント毎に説明っす。@は各自のセンスで頑張って
もらうしか無いんすけど、ポイントしては、下手な、テキトーな絵だと
その通りにしかならないので、その点要注意っす。

Aにいってみましょう〜コチラをご覧くださいっす。


画像をクリックすると大きい画像が見れます。

左はAの工程が終わったとこで、右は使うタガネとその彫り方っす。
青線が毛彫りで赤線が片切で深く彫ってある方っす。

ポイントは片切の入れ方っすね。耳、頬、鼻先など、外側に開いて
丸くなっている所は内側を深く彫り、逆にしぼってある鼻や首の内側は
外側を深く彫ると絵が締まるっす。これは経験とセンスの問題に
なってくるんすけど、間違えると締まりの無いだらしない絵になったり
キツキツの硬い絵になるので要注意っす。
「絵」を「彫り」に上手く訳すって作業っすねぇ〜

んでは次っす〜〜!

画像をクリックすると大きい画像が見れます。
もうすでに終わりまでやっちゃってるんすけど・・・


Bの粗しはまず普通に粗しいれてますが、毛の部分は光を入れたいので
その辺は叩いてないっす。で、くぼませる部分は滑らすように叩きながら
あらかじめ入れた彫りが消えるまで叩いてあるっす。また単純に
くぼませるよりは片切で彫ったように片側を逃がす感じにすると
雰囲気が出るっす。

Cのポイントはラインが交差しないように丁寧に叩くことっす。

Dは↓を見てくださいっす。



色の違いのように段階的に片切で面を彫って、それをヘラで
滑らかにすると、丸いクリッとした目になるっす。
結構難しいっすけど、出来ると目が活きてくるのでトライして
みてくださいっす。

Eは仕上げっすね。後から粗しを入れるとどうしても潰れるので
最後にもう一度見せ所の彫りを入れるっす。今回の場合は、
頬から右アゴまでと、鼻先左、耳の外側、首の左の輪郭っす。
タテガミの所は彫りを入れなおすとタテガミが浮いてしまうので
彫らない方が良いっす。


以上!簡単でしたけど、「馬面」の彫り方っす。

あと、◇GALLERY◇のNo.016のように一番最初に下地としてダイヤモンドポイント
なんかで粗しておくと絵が際立ちます。さらに、素材がシルバーや
ホワイトゴールド、プラチナなどの銀色素材の場合はメッキを
かけると、より一層絵が際立つっす。



最後に、
↑の彫り方や道具は、いわゆるオイラ流になってるので
そこんトコご理解とご了承くださいっす。



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(2005/09/20)

poko