No.014 つなぎ


なんか「彫り」の解説が多いんで、今回は「飾り」の解説っす。

で、今回のテーマはタイトル通り『つなぎ』っす。

「ほえ?つなぎって何?」って思った人もいると思うんすけど、ここで言う
つなぎ」って言うのは、「パーツとパーツの連結部分」っす。
まあ、こんなのっす。



【GALLERY4】にある『はなぐるま』っす。
花のパーツと小さい花のパーツを丸カンでつないであるっす。
これが誰でも思い付く一番ポピュラーな「つなぎ」っす。

子供の頃、折り紙で作った輪飾りみたいな感じっす。


で、今回は技術的に少しLVUPした「つなぎ」を解説したいと思いまっす。



このペンダントのつなぎ方っす。右側はつなぎ部分をアップにしたものっす。

特徴はご覧の通り、始めの輪飾り方式と違って丸カン部分がほとんど見えず、
パーツとパーツの間がほとんど無いってことっす。

パーツとパーツ、石枠と石枠なんかを固定せずに動きがあるまま並べられるのが
最大のポイントっすね。ブランド品なんかでもよく使われる「つなぎ」なんで、
これが出来ればちょいとCoolな作品になること請け合いっす。


ってことで、いよいよ解説っす!

まずは裏側からご覧くださいっす。



だいたいどんな構造になっているか分るでしょうか?
このつなぎ方はパーツの一方に丸線をロー付け、
そして一方に丸線が通る空間があれば使える方法っす。


では、具体的にやり方を図で説明っす。



まず今回のケースのパーツで、左が裏から見た図、右が横から見た図っす。
薄い赤色のとこにサンがあるっす。これに丸線をロー付けるっす。




青い線が丸線っす。
丸線はこの後もう一方のパーツを通しては丸めたりしやすいよう
長めに3cm以上あった方がいいかもっす。

で、ここのポイントは次に丸線を丸めるのでやや外側ナナメ方向にロー付ける事。
あと、反対側をロー付け時に高さを同じにしやすいようにサンとコシとの
にロー付ける。もしくは上の板とのにロー付ける事。


んでは次っす。



丸線にパーツを通してある程度丸めてから線を切り、押し込むように
丸線をサンのとこまで持っていくんすけど、この時↑の図のように切った
丸線をやや長めにしておけばロー付けの時にそっちに熱がまわりやすいので
いい感じっす。ここは最後のロー付けなんで、一番早いローでロー付けっす。

で、ここでのポイントは、まずさっきも言った通り、右の図のように
丸線の高さを一定にする事。じゃないと、ぶら下げた時に各パーツが
正面を向かず、あっちゃこっちゃ向いてぶら下がってしまうっす。

あと、仕上げでバフがけなどすると、引っ張られて丸線が伸びるので、
ややキツ目に、動きが少しカタイくらいに丸める事。
それくらいが最終的に丁度イイっす。

あと、オイラの机の引き出しにバラしたパーツが転がってたので参考にどぞ。



つなぎの丸線は切ってあるっす。放置状態だったので小汚いのは勘弁っす。



まあ、こんな感じで繋げていけば上にあるようなつなぎ部分の見えないモノ
出来るんすけど、これを応用すれば、石枠どうしをつなげたり、
メインのパーツに石枠をちょろっとぶら下げてみたり出来るっす。

あと、今回のは結構細かいロー付け作業なので、「パーツ方がバラけちゃう」って
心配な人は、パーツや石枠を一回キャストで吹ちゃえば安心っす。

構造としては単純で、ポイントさえしっかり抑えればこなせる作業なので
作品のデザインの幅も広がるし、このつなぎをやったことない人は
ぜひ一度チャレンジしてみてくだされっす。



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(2006/04/19)

poko