No.018 タガネを作ってみよ〜



【掲示板】にてリクエストをいただいた「タガネの作り方」っす。

今回はっ!

文字彫り用、特に漢字、それもオイラが彫った漢字。

で!

その時に使ったタガネの作り方を希望。

と、メチャメチャ具体的に明確にリクエストされたんで、
「おっしゃ!久々のリクエスト。応えようじゃんかホトトギス。」
ってことで、リクエスト通り、

グラインダーも使わずに作れる炭素鋼タガネ(赤タガネ)での、

文字彫り用タガネの作り方っす!!!

(文字彫り用と言ってももちろん絶対的なモノではなく、あくまでもオイラ仕様ってことっす)
(炭素鋼タガネがよく赤タガネと言われるのは、ある業者が炭素鋼タガネは赤の印、
ハイスタガネは青の印と区別したモノが広まったタメっす)



では!いきますよぅ〜〜〜!!


はいっ!





こんな感じに作ってくださいっす!終わりっ!(ウソウソw)


こんなタガネになるっすよ。ってことでね、

では! 解説いきましょうか。

まずは、用意するモノっすね、

炭素鋼片切りタガネ1号(赤タガネの一番小さいヤツ)、ヤスリ(中目&油目)、
砥石(インディア&アルカンサス)、ラッピングフィルムシート(#8000)、
機械油(ミシン油)、バーナー(焼き入れのため)くらいっすかね。

で、ちと解説すると、
機械油(ミシン油)はサラサラした油っす。砥石の目詰まりなどを押さえ、
よく砥げるようにするっす。サラダ油はダメっすよ。

ラッピングフィルムシートはペーパーヤスリみたいなモンっす。
ただペーパーと違い、プラスチックのようなシートの上にヤスリの粒子を付けた
みたいな仕様で、紙のように微妙にヘコんだりしないので
その分タガネの刃がダレないっす(←重要)。
模型工作なんかで使うようでハンズとかで売ってるっす。


次に手順っすね、

@ タガネをヤスリで整形
A 焼き入れ
B 砥石でタガネ研ぎ
C ラッピングフィルムシートで仕上げ
D 文字を彫る


ま、こんな感じっすかね。
@から順に解説っすね!



@ タガネをヤスリで整形


画像をクリックすると大きい画像が見れます。



こんな感じっすね。
買った時のまんまでヤスリで削れない時は、一度バーナーで先端を真っ赤にして、
それを決して水には入れず!放置しといてください。するとナマって削れまっす。
(これが炭素鋼の利点)

始めはただ平面にする、
直方体の棒にヤスリで削ればOKっす。ヤスリは油目までかければOKっす。



雑な図っすけどこんな風に


ちゃんと面を平らな面になるように削ってくださいね。
そうした方が後々刃を付ける時にやりやすいっすからね。
間違っても手を抜いて(曲面)にしたりしないように!肝心の刃が狂います!
んで、
上の図のようにしたら、上の画像のように刃の部分を削りまっす。
刃の部分の整形は焼き入れ後に砥石で整形するのでだいたいでOKっす。



A 焼き入れ

ヤスリで整形した部分をバーナーで赤くなるまで熱し、即水にジュゥゥっとつけます。
これでタガネが硬化してもうヤスリでは削れなくなるっす。こんな感じになるっす。



表面が酸化して黒くなってます



B 砥石でタガネ研ぎ

タガネ作りのキモっす。
砥石を使って研いでいくんすけどポイントは、

「押すときではなく、引くときに研げ!
「平らな面は肘&肩で研ぐ!曲面は手首の関節を柔らかく!」


っす。その方が余計な力が加わらず、正確に研ぐ事ができまっす。

で、まずは焼き入れによって酸化した部分、刃の所じゃなくって側面などを
インディア砥石でキレイに研ぎ落とします。だいたいヤスリ目が消えたぐらいが頃合っす。
ヤスリ目が消えたら軽くアルカンサスもかけた方がイイ感じっす。
ここでも面が(曲面)にならないように、そして角をおとさないように注意っす。

次に刃を整形&研いでいきまっす。インディア→アルカンサスっす。
まずは下っ刃を付けてから上っ刃を付けるとイイでしょう。
下っ刃のR(曲面)具合、上っ刃の角度はこんくらいでいってみましょう。



画像をクリックすると大きい画像が見れます。



図にするとこんな感じっす。




画像をクリックすると大きい画像が見れます。



まあ、これは訓練っす。ポイントを踏まえ、ただただ訓練っす。
10本ぐらいタガネをダメにしても負けないぞ!って意気込みで頑張ってくださいっす!

ちなみに、オイラ(プロ)は10分もあれば・・・・・っす。



C ラッピングフィルムシートで仕上げ

まあアルカンサス砥石まででもイイっちゃーイイんすけど、
下っ刃、品物に当たる刃の面がキレイに磨かれている方が
いざ品物を彫った時に彫った面がキレイに出るんで、
さらに下っ刃をテカテカ鏡面仕上げする為にやりまっす。下っ刃のみで大丈夫っす。





微妙な違いっすけど、
左のはアルカンサスまでの研ぎで刃の面に僅かばかり縦線みたいのがあるっす。
右がラッピングフィルムシート(#8000)までやったのでご覧通り縦線が消えてるっす。

これで「タガネ作り」は終了っす。

特にジュエリーアクセサリーなんかに彫る場合はやはり光って欲しい。ということで、
こういう微妙なトコまで拘りたいモンっすね。



D 文字を彫る

とりあえず作ってみたタガネで「どんなんが彫れるか?」彫ってみたっす。
とりあえずなんで書体がどーのこーの、字の上手い下手は
華麗にスルーして下さいっす(汗)

ちなみに、
炭素鋼タガネやハイスタガネは彫る時、刃にちょこっと水を付けると、
表面張力?で切れ易く&刃のモチが良くなります。



画像をクリックすると大きい画像が見れます。



はい、高画質で載っけてくれましたっす。だいたい一文字タテヨコ1センチくらいっす。
最低この程度は彫れる仕様となっていまっす。このタガネでこれ以上に上手く彫れれば
アナタはオイラより彫りが上手い。このように彫れないなら単純に下手。ということで。

ただ練習あるのみ!っす。

ちなみに、
今回のタガネは特に漢字用ということで、スクリプト英字なんかで出てくる
極度のR(曲がり)には対応しきれないっす。唐草なんかも辛いっす。
そういうのがやりたい方は、下っ刃のR(曲面)をもっとまん丸くすればOKっす。


以上!
モノは試し、とりあえず文字彫りしてみたい方はお試しアレ!っす。


ちなみに、
一連の作業、オイラがやってみたところ約30分でした。要は慣れってことっすね。



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(2007/12/08)

poko