No.017 ミゾっこ枠



以前、【日々】言っていた、コレ↓の作り方&ワンポイントっす。



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とりあえず、生地(地金部)は出来ていると過程してっすね、


では! 解説いきましょうか。


まずは、作業の工程内容を説明するとっすね、

@ 座もみ。
A 溝入れ。
B 石を入れながら、座の深さと溝の深さ&幅を調整。
C 石留め。
D 生地(地金部)の幅を調整。そして仕上げ。


ま、こんな感じっすかね。

でもっすね、実はっすね、↑のはあくまでも今回のケースでして、
この『溝を入れて共有爪で留める』って、もう一つタイプがありまして、
図を描くとこんな風になっておりまっす。





左が今回のケースっす。黄丸が石で青丸が爪になりまっす。


それぞれの特徴を言っていくと、

まず、左の今回はケースは、石の直径より生地(地金部)の幅が広くなっていて、
上の作業工程で言えば、Dで幅を調整することが可能なワケっす。
で、石と石の間隔が狭く(0.1・2mm)、地金部が多少見えるので溝部分を
しっかり仕上げ照り返しを付けないと汚く見えるっす。

右のケースの場合は、石の直径より生地(地金部)の幅が狭いか、同じなんで、
上の作業工程で言えば、Bのところでビシッ!っと決めなくちゃいけないワケっす。
でも、石と石の間隔にやや余裕(0.2・3o)があるものの、
そこは溝になっているので地金部はほとんど見えないっす。
ただ、横幅が石の直径より狭くなると、石が当たるので、その辺の考慮が必要っす。

んで!用意する生地(地金部)は、
今回のケースの場合は、横幅を石の直径より0.5mm広く、
右の幅狭ケースの場合なら、幅が石と同じ。くらいから始めるとイイでっしょう〜

ちなみに、難易度は今回のケースの方が易しいでっす。


いちおうそんな相違点を踏まえつつぅ〜


@から順にいってみましょうぅ〜っす!!




@ 座もみ。


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こんな感じっすね。
列に連なって留まるので、正確さが問われまっす。
誤差0.1mm、出来れば0.05mmキレイに座もみしたいところっす。

で、早速ワンポイント的なコトを言うとっすね、

恐らく下穴を開けた時点ですでにズレが生じていると思うので、
ここはリューターポイントのカッター、ラウンドで座もみするっす。
そうすれば微妙に位置をズラせるっすからね。石の直径と同じか0.1mm小さい刃で
球の半分までもめば、広がり過ぎないしイイかと思いまっす。
ま、溝を入れる為の“標”みたいなモンっすね。

ちなみにコレは、どちらのタイプでも言えるコトっす。



A 溝入れ。


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コレも正確さが問われまっす。って言うか、全部正確さが重要なんすけど(笑)

まず、横の溝ですが、爪になる部分が石に届くのを配慮しつつ
極細の丸ヤスリですっていきます。そうっすねぇ〜だいたいカッターでの座もみが
かろうじて残るまでまず一箇所をすり、すったらその深さでケガキ線を引き、
それに合わせる。
って感じっすね。あと、多少ミゾが付いたら、
後はカッターシリンダーストレートと呼ばれるタイプの刃でやってもOKっす!

細かい作業なんでビギナーの方なんかだと
むしろカッターを使った方がキレイにいくかもっす。

注意点としては、
コーンのカッター、似ているけど先と根元で幅の違うタイプのモノは
溝の幅がマチマチになりやすいので止めたほうがイイっす。

石と石の間の地金もそんな感じでヤったってくれるとイイ感じっす。

ま、オイラのように彫りも出来る人は豪快に甲すくいのタガネで切ってもOKっす。
(彫りは一番難度高いかも)(調整し辛いんで)


で、ここでのワンポイントはっすね、

石と石の間の溝は平らでもイイんすけど、
横面の溝は、ややナナメに入れた方がイイっす。

と、いうのも、ナナメにすることによって微妙に地金の照り返しが出るんす。
さらに!微小ながらも石を留めた時に外側が下がってるっすから
石が浮いた感じにも見えるんすね。

あと、こういうブツは真っ平らに溝を入れてしまうと(今回の幅広ケースは)
目の錯覚によって石部分が沈んでるように見えてしまうんす。


ちなみに、幅狭ケースの場合は横面、照り返しなどになる部分は無くなってしまうので、
その辺は特に気にしないでイイかもっす。



B 石を入れながら、座の深さと溝の深さ&幅を調整。

今回のキモの一つっすね。
石の並び具合と、爪の大きさを決定しまっす。
幅狭ケースの場合は最終的なデキも決まります

ここの作業でっすね、ドリルカッターのストーンセッティングで石の深さを、
極細丸ヤスリカッターなんかを微調整するんすけど。。。。

まあ、いわゆる一つの、


自身の技量っす。 ただひたすら技量っすね。


んでも、そこは優しい剣さんっすから、注意点を言っておくと、





微妙で分かり辛いんすけど・・・
青線のところが最終的に爪になった時の状態っす。

このように、『爪の地金の高さが下がる』っていうのを忘れずに
調整してくださいっす。立爪の枠なんかをイメージすると分かりやすいかもっす。

あと、横幅が広い時は留めやすいようにナナメにっすってしまうっていうのも手です。

出来るだけ爪は同じ大きさに!! っす。


ちなみに、幅狭ケースの場合は、ココで8割がた品の良し悪しが決まります。
パーフェクトに出来れば原型職人も夢じゃないかもっす♪



C 石留め。

まあ・・・石を割らないように留めてくださいっす。

ワンポイントとしては、爪を丸めるナナコの形状っすかね。

内側に寄せつつ石を留めたら、
とっても窪みの浅いナナコで軽く上から押さえるように
叩き、なでなで。愛撫のように優しく少しずつなでなでっす。



D 生地(地金部)の幅を調整。そして仕上げ。

今回のケースで言えば、ちょっと広かった幅を、真上から見えるか見えないか程度に
すって、爪にした部分も地金がナナコからはみ出た部分はしっかりヤスリで落とし、
仕上げると出来上がりっす。幅狭ケースの場合は、磨くだけっすね。



以上! 作業するとぉ〜〜





こんなモノの出来上がりっす。

今回のは円形でかつ斜めになっているという状態で、高さが分かり辛かったり、
内側と外側で長さが違ったりと、難度がちと高めっすけど、

リングのウデとか、あっさりしたペンダントとかで直線的なモノにする場合には
結構ヤレルんで、トライしてみてくださいっす。


ちなみに、
今回の石は、直径1.7mmを使用っす。



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(2007/05/04)

poko